2010年秋に魔将サークル百睡亭のスミさまが主催なさった魔将オンリー『宵闇月華』にスタッフとして参加し、アンソロジー制作を担当させていただきました。当時のことを思い出して色々と記録させていただこうと思いつつも、お宝の山に埋もれて実物が出てきてくれず…手ぶらで慄きつつも、頼りない記憶を辿ってみます。
魔将オンリーの開催はおそらくジャンルで二度目(定かでない情報)。(三度目だったことがわかりました。90年代開催オンリーの主催チームメンバーの方がお戻りに涙)
ノウハウも認知もなく、スミさんと他CPオンリー様へのスタッフ参加で修業を重ね、宣伝しながらアドバイスをもらって歩きました。各オンリー主催スタッフの皆様方、その節はありがとうございました。
アンソロは2010年の秋発行、前年の春から動き出し、描・書き手様探しに東奔西走しました。魔将でコンスタントにイベントに参加されておられるサークル様をはじめ、サイトのみで活動されてる作家様、当時流行ってたPOOお絵描きBBS内企画『版権お題絵』で素敵な魔将を描かれた作家様方、ジャンル内CP・オールの作家様、その昔魔将で活動なさっておられた先輩方。依頼・公募以前の問題で、絶対数が少なく、頼みの綱である魔将関係のリンク集や同盟が風化しており、スミさんと二人で今を生きる魔将スキー様を求めて文字通り奔走しました。作家さまとはほとんどが初対面で体当たりです。よしんば依頼でOKをいただけても、必ずしも締め切り日に原稿をいただけるわけでなく、最後の最後まで調整につぐ調整。最終的にはジャンルの縦横から驚くほどたくさんの方に暖かいお声かけご支援いただき重ねて感謝いたします。
ジャンル内では濃い存在とはいえ魔将はマイナーに属しますから、企画を立てたとしても「スキー」の数人では何もできません。イベント記念アンソロは自分(たち)のために作る本ではないですから、客観的にどんな本が求められてるかを分析してチームで動くを目指したい…ところですが、理想論でしょうか。同瞬間沸騰的要素がない分、大変でもありそう…。それと、ついつい出がちな「自分でやったほうが早い」はたとえそれが納期やクオリティ的に近道だったとしても、いい思い出にはならない気もします。
ところで上図の表紙、素敵でしょう…。いや、凄い…。イラストは主催のスミさまです。表紙とご担当本文データをいただいたとき、ファイルを一瞬開いて即閉じしました。心が折れそうでした笑
今はもう活動しておられませんけど、スミさんは凄腕の絵師、そのお人柄に甘えて活動をご一緒させていただいた時期がありました。なんせ神秘的なお人でしたから、近くに居れば何かしら謎を解き明かせるかも、なんて大した思い上がりでしたね…とにかく打ちのめされて実際に作業に入るまで2~3日かかりました(今思えば、合同誌の折は毎度)。これだけ完璧な画ですから何も手を入れることはないんですが、入稿原稿を作らねばなりませんので、デザインと文字入れをさせていただき、イベントのテーマをくんで最大限の雰囲気づくりを試みました。
表紙仕様はアートポスト180kgにマットPP加工です(なお、納期…)。本文は美弾紙クリーム、本文デザインは浮世絵や花札の絵柄を持ち込み、絵草子風を目指しました。やはりデジタルアナログは半々、不安がすぎて大阪のくりえい社本社様に直接持ち込みしました。部数はイベント閉会時残部30部、明らかに見込みミスです。依頼した作家さまのご負担や魔将という稀少さを鑑みて、一年間は持ち歩ける部数を刷るべきだった…と個人的には考えます。
最も反省すべきは編集を請け負ったなら編集人に徹するべきだったということ。自分を過信して執筆者として入ってしまい、創作時間がおして中途半端なクオリティの原稿を提出、悔やんでも悔やみきれないです。
ここまで書いていてどっと疲れてしまいました。大変貴重な体験でしたが、よく考えたら征当オンリーの記念アンソロも同時進行でした。ミリオン2のあと、4~5年?休んでようやく復帰できました。頑張りすぎはいけません、楽しいことは細く長く続けましょう。